矯正治療の流れ Flow
初診相談
初診相談では、治療法の詳しい内容や大まかな治療期間、費用などについてお伝えします。
矯正治療は長期間にわたって行なうものなので、不安や疑問があって当然です。患者さまの質問、心配事にも丁寧に回答します。
精密検査
お口の中を拝見するだけでは、精密な治療計画を立てられません。3Dスキャナーによる歯型の採取、CTやX線写真撮影などを行ない、さまざまなデータを得ます。それにより、治療の過程で起こり得るトラブルを未然に防ぎます。
治療計画の立案
立案した治療計画をもとに、予想される治療期間や費用の総額、通院回数、抜歯の有無や治療法のメリット・デメリットなどを患者さまにご説明します。このときに改めて疑問や不安な点が浮かびましたら、遠慮なくご質問ください。
クリーニング
矯正している間は装置を歯につけるため、歯が磨きにくくなります。矯正治療中に虫歯や歯周病にかからないよう、歯をクリーニングして歯垢や歯石を除去します。また、歯磨きの仕方についても実践的に説明します。
治療スタート
装置をつけて矯正治療がスタートします。はじめは装置に違和感があり、お口の中で痛みがあったり発音しにくかったりするかと思いますが、徐々に慣れてそれほど気にならなくなります。
定期健診・調整
定期的に通院していただき、歯の動いた様子を確認しながらワイヤーの交換・調整を行ないます。また、虫歯や歯周病になりそうなところがないかチェックし、改めて歯磨き指導やクリーニングなどをします。
保定期間
噛み合わせが改善し歯列が整ったら、装置を取り除いて保定装置(リテーナー)をつけます。動いた歯は後戻りするので、それを防ぐために歯列を保ちます。保定期間には個人差がありますが、一般的には2年ほどになります。
画像診断プログラム
治療の内容を患者さまに少しでも詳しく知っていただくことが、治療を進めるうえで大切だと考えています。しかし、矯正治療は歯の位置だけでなく、歯の角度、それに顎の位置などさまざまな情報を総合的に判断して行なう、複雑なものです。
当院では画像診断プログラムを導入し、治療内容をよりわかりやすく説明できるようになりました。このプログラムはコンピューター上での分析や診断が可能なもので、治療前後の比較や、治療過程における段階ごとの画像を並べて表示できます。効果を実感しながら、長期にわたる矯正治療のモチベーションを維持できます。
矯正治療のQ&A
Q 01矯正治療をするメリットを教えてください。
矯正治療は歯並びをきれいにするだけでなく、噛み合わせの改善も追求します。噛み合わせが悪いと虫歯や歯周病にかかりやすくなるほか、口臭などにもつながります。矯正治療によって口元が美しくなり、健康の維持・向上にもなります。
Q 02矯正治療中に痛みはありますか?
ワイヤーの装置をつけてすぐは痛みがあります。噛んだときや、場合によってはお口の中の粘膜に当たって痛みが出るケースもあります。しかし、痛みは徐々に軽減して2~3週間後には違和感がほとんどなくなります。定期的なワイヤー調整でも痛みを感じる場合がありますが、これも慣れてきます。
Q 03矯正治療をすると歯の根っこ(歯根)が短くなると聞きました。
歯を移動すると歯根が少し短くなりますが、日常生活に影響が出るほどは短くなりません。ただし、歯周病にかかってしまうと歯根がほかの歯より早く溶けてしまう可能性があります。矯正治療後は丁寧な歯磨きを心がけて歯周病を予防してください。
Q 04装置がついている状態ではどのように歯を磨けばよいでしょうか?
虫歯や歯周病を改善したうえで矯正治療をスタートしますが、装置をつけると歯磨きがしにくく、虫歯などにかかるリスクが高まります。当院では、装置をつけた状態での正しい歯磨きを実践的に指導しています。
Q 05装置をつけている間も通院しなければなりませんか?
歯の動きに合わせてワイヤーの負荷などを調整する必要があります。矯正治療中は月1~2回ほど通院していただきます。また、保定期間中も状態を確認するため、年に数回通院していただきます。
Q 06抜歯が必要なケースもありますか?
当院では、可能な限り抜歯をしない形での治療プランを優先して立案しています。しかし、歯をきれいに並べるためのスペースが十分でなかったりすると、抜歯をするケースもあります。抜歯の有無は顎の大きさや歯の大きさなどによって判断されるので、治療を始める前にお伝えします。
Q 07スポーツや楽器の演奏などに支障はありませんか?
たいていのスポーツは、装置をつけたまま行なっても問題ありません。ただし、激しいコンタクトをともなうスポーツではマウスガードを使っていただく場合があります。トランペットやクラリネットといった吹奏楽器の演奏は、装置をつけたままでも問題ありません。
Q 08矯正治療で起こるトラブルについて教えてください。
矯正治療では、まれに使用しているワイヤーが切れてしまいます。もしワイヤーが切れたらその箇所を切断してご来院ください。修復によって新たにかかる費用はありません。
Q 09治療中に引っ越しが決まってしまいました。どうすればよいでしょうか?
転勤や留学などで遠方へ引っ越しする場合、当院への通院が困難になるので、転居先で通院が可能な歯科医院を紹介します。価格についても進行状況を確認のうえ精算し、治療を継続する手続きをします。早めにお申し出いただけると、時期を合わせながらの治療が可能になります。
転院先が慈恵会グループ内の医院であれば、より連携の取れた治療が可能となります。ご希望の場合はお気軽にご相談ください。
Q 10矯正治療に保険診療は適用されますか?
基本的には適用されず、自費診療となります。そのため、矯正治療の価格は治療の内容やお口の中の状態などによって差が出てきます。国の定める先天性疾患にともなう矯正治療は、保険診療となる場合があります。